情報処理業界の大きな特徴であるピラミッド構造について書きます。SierとはSI(システムインテグレーション)を提供する企業、事業者のことです。
この業界、企業の大きな特徴がピラミッド構造ということです。
どういった特徴か
以下、極めて単純な図ですが、大規模なシステム開発の案件(国の省庁や都道府県、銀行、公共のインフラなど)があるとこの順番に発注が流れていきます。実際に直接受注するのは一番上の大企業ですが、実際の作業は下請け的に下位に流れていきます。中規模以下ですと中堅企業が元請けになる場合もあります。
具体的な企業名等は調べてみて下さい。ランキング形式でいろいろと出ているようです。
想像出来ると思いますが、企業の数としては下位になるほど増えていき、企業あたりの社員数は減っていくということです。
この特徴を説明するためによく似ていると言われる建築、土木系の業界を例えに使います。例えば大きなビルを建築する場合、実際に受注するのは大手ゼネコンといわれる企業ですが、実際に現場で建築作業する方々はその下請けにあたる企業の方々ということです。それも似たように多重構造になっているということです。
なぜこういった構造になるかというと上位からすれば案件単位で下位に発注出来て常に大量の人員を雇用しておく必要がない、下位の企業は幅広く上位から受注出来るということで安定性があるということでしょうか。(※日本では仕事がないからといって簡単に解雇は出来ないでしょうから日本的といえるでしょうか。)
それぞれの階層でどういうことをやっているか、収入はどうか
だいたい想像がつくと思いますが、上位の企業は予算管理、スケジュール管理、工程管理等の管理業務ばかりで実際の開発は何もやっていないと言っていいでしょう。実際の開発は中堅以下が担当して実際にプログラミングを行っているのはより下位の企業ということです。
それでは収入はどうかというと当然上位の方が収入はいいです。ですので、この業界に就職しようとする学生はより上位を目指す傾向があります。
それでこの業界は人気があるのかやりがい等は
この業界が人気があるとは思いません。またやりがいがあるとは思いません。どちらかというとブラックな業界のイメージが強いかと思います。
各階層の企業で企業の広告、求人広告を見かけることがありますが随分実体とは離れていると思います。上位の大企業は実際にはお役所仕事的な仕事が多いと思いますが、日々研究開発を行っているような企業イメージの広告をよく見かけます。下位の企業は実際には下請け的な仕事が多いにも関わらず上位の企業のようなイメージの広告を出して人材を集めようとしている場合もあると思います。下位の企業の場合は、取引先の企業を見ると大手企業の同業他社ばかりという場合があります。この場合は実質人材派遣企業という捉え方も出来ます。
結局何が言いたいのか
システム開発やプログラミングを勉強したからと言って安易にこの業界を目指すのはどうかと思います。少なくとも私自身は今現在こういった階層構造の仕事は受けていません。小規模であれ自分自身で直接取引をして自分自身で開発実務を行っています。
就職、転職を目指す方はよく研究して考えて下さいということです。