開発系エンジニアの働き方の一つとして「フリーエンジニア」という表現があります。これについて否定的な視点で書きます。そんな都合のいい働き方はありませんよという意味です。私自身が利用したこともあるのでその経験からも書きます。
フリーエンジニアという表現
どういった企業が「フリーエンジニア」という表現を使うかというと以下の業種だと思います。
・開発系案件紹介企業
・プログラミングスクール企業
そこでの「フリーエンジニア」とは以下のような内容です。
・好きな時間だけ働ける
・自分で仕事が選べる
・高収入が得られる
もし気になったらぜひ検索してください。
実際はどうなのか?ということですが、そんなに都合のいいことはないです。この「フリーエンジニア」という言葉は「(実質的には)派遣エンジニア」に置き換えれば分かりやすいと思います。
こう書くと法律的に派遣はどうこうで実際の契約は派遣ではないと言われそうですが、ここでは「実質的には」ということです。実際には以下のような働き方になることが多いです。もちろん全ての場合にあてはまるとは限りません。
・単純に契約した企業の指揮命令系統になる(配下に入って指示に従う)
・実際の仕事は納期が決まっていてそれに合わせる必要がある
・高収入といってもそれは全て込みだからトータル的には高くない
・好きな時間だけ働けるといっても自分で選べる訳ではない
・契約期間の間は収入はゼロ
こういった状況が「(実質的には)派遣エンジニア」と言えるということです。もう20年ぐらい前の話なので今の状況は何とも言えないですが、私の場合は時間の無駄としか思っていません。こういった「開発系案件紹介企業」は本当にモラルも低かったと記憶しています。
プログラミングスクール企業がなぜ「フリーエンジニア」という表現を使うか
開発系案件紹介企業がもっともらしく「フリーエンジニア」という表現を使うのは分かりやすいと思いますがなぜプログラミングスクール企業がこの表現を使うかです。それは、未経験からは簡単にそれなりのレベルの開発系企業に「正社員」として採用はされないということです。
その代わりといっては何ですが、派遣から始めるという方が簡単だからでしょう。そこで「派遣エンジニア」では格下のようなので卒業したら「フリーエンジニア」になれますとアピールします。通常、実質派遣会社に登録するのはすぐに出来ると思います。そこで何かしらの案件に契約して参加出来れば、卒業生は「フリーエンジニア」として活躍していますとなります。その後は関係ありません。
なぜこういった状況になるのか
なぜこういった状況になるのかというと以下で書いた業界の構造があるからです。プロジェクト単位で必要となってくるエンジニアは常に必要だからです。そこで必ずのように偽装派遣という問題が出てきます。そこが問題です。
情報処理業界(Sier)の特徴・ピラミッド構造
それではどう関わればいいのか
今まで書いた状況を理解した上で利用するのであればそれはそれでいいと思います。私の場合は今現在は営業面から交渉面から全て自分で対応しています。実質派遣には一切関わっていないです。そういった意味では私は本当に「フリーの状態」かもしれませんが、自分で仕事をしているので必ず「責任」が伴います。
もっともらしい宣伝に引っかからないで業界の特徴をよく理解してしっかりと「自己責任」で考えて行動しましょうということです。