クラウド開発環境のPaizaCloudクラウドIDEを使ってみます。今までこのサイトでは以下の記事から書いたWSL(Windows Subsystem for Linux)を使ってきました。これはプログラムの学習をこれから始めようとする方には難しいでしょうか。
Windows10でWSLを利用してLinuxを利用する(概要と有効化編)
ということで、もっと簡単であろうと思った環境構築として、PaizaCloudクラウドIDEを選んでみました。このPaizaCloudクラウドIDEは、クラウド上に存在する環境でブラウザから利用出来ます。いろいろなプログラミング言語を実行出来るpaiza.ioについても書きましたが、より自分で幅広く利用出来る開発環境が構築出来ます。無料プランもあるのでこれを使ってみます。(※但し今現在ですが、無料版は同じサーバ環境を24時間しか利用出来ません。またブラウザの連続利用が4時間までと限定的です。)
今回は何かを作るということではなく、ファイル操作やコマンド操作を使ってみようと思います。
ユーザ登録
ユーザ登録は今現在ではhttps://paiza.cloud/ja/の登録無料のボタンから出来ます。
以下のような画面になりました。
メールアドレスで新規登録するか、SNS関連でもログイン出来るようです。私はメールアドレスアドレスで登録したのでメールが届いてユーザ登録が完了しました。
ログイン
私の場合はユーザ登録が完了したので、メールアドレスでログインが出来るようになりました。ログインはユーザ登録の左横のログインボタンから出来ます。
ログイン画面が表示されます。
以下のようにログイン出来ました。まだサーバがないので、新規サーバ作成ボタンが表示されています。
新規サーバ作成
ログイン完了後の画面から新規サーバ作成ボタンをクリックします。
とりあえずここでは無料プランを選択します。(※この無料版を利用する場合は画面上の利用条件を十分に理解した上でご利用下さい。)
サーバ名を入力します。さらにやりたいことが決まっていれば、インストールしたい項目を選択します。ここでは何もインストールしないで進めます。
サーバが出来ました。
サーバの削除方法
個人的にはこういった環境の良い点と思っていますが、自分で何をやっているのか分からなくなった場合はサーバごと削除してまた最初から構築することが出来ます。その削除方法です。
ダッシュボードを開きます。
削除ボタンから削除出来ます。ここでは今から使うので削除しません。
ファイルを作成してみる
新規サーバに戻ります。新規サーバを作成した状態で何をどうしたらいいのかということになりますが、まずはファイルを作成してみましょう。
新規ファイルをクリックします。
ファイル名にhello.pyと入力します。Pythonのプログラムを書きます。
エディタの画面が表示されたのでprint(“Hello”)と書いて保存をクリックします。字が小さのでブラウザ画面を拡大しました。
メニュー(ファイル名の左側のアイコン)から閉じるを選択します。
ファイルを確認
ファイルフォルダを開きます。
下に展開します。
作成したhello.pyというファイルが確認出来ました。ここから右クリックで開くを選択すると再度エディタで編集出来ます。
ターミナルを起動する
次にターミナルを使ってみます。左側のターミナルアイコンから起動出来ます。ターミナルは複数起動出来ます。また閉じる場合は、コマンドで exit と入力するか、右上の×から閉じることも出来ます。
文字の大きさはターミナル画面のメニューのフォントから変更出来ます。
ターミナルでコマンド操作を実行する
ターミナルからコマンド操作をしてみます。ターミナルは通称「黒い画面」と呼ばれることもあり、どうしても最初はどう使っていいか分からないとなると思います。ここではどうなってもいい環境(いつでも削除してやり直せる環境)ということでぜひコマンドをいろいろと実行してみて下さい。
OSの確認から実行します。以下を入力して実行してみて下さい。
$ uname -a
私の場合ですが、以下のように表示されました。
いろいろと表示されていますが、以下のキーワードに注目します。
Linux
Ubuntu
LinuxはOSのことでUbuntuはディストリビューションのことです。
Linuxとディストリビューションについては以下で書きました。
Windows10でWSLを利用してLinuxを利用する(Debian導入編)
つまり、Linuxの基本的なコマンドが利用出来て、かつUbuntuのパッケージ管理のコマンドが利用出来るということを理解しておきます。
Linuxのファイル操作系コマンドの確認
以下あたりを実行してみます。
cd:ホームディレクトリ移動
pwd:現在のディレクトリ表示
ls:ファイル表示
各コマンドについては、以下でも(Debianディストリビューションですが)少し書きました。細かい使い方はここでは省略します。必要な場合は調べてみてください。
Windows10でWSLを利用してLinuxを利用する(Debian基本操作編)
ここでは以下のように実行出来ました。現在のディレクトリが、/home/ubuntu で先に作った hello.py というファイルがあります。
ファイルをコピーしてみます。以下のようにファイルコピーのコマンドを実行します。
$ cp hello.py hello2.py
以下のようにコピー出来ました。ターミナル画面でも左側のファイル一覧でもhello.pyとhello2.pyのファイルが確認出来ます。
PYthonでプログラムを実行してみる
コマンドラインで、python -V と入力して下さい。Vは大文字です。今現在私の場合では、Python 3.6.9 と表示されました。つまりpythonコマンドで3.6.9のバージョンが利用出来るということです。
次に先に書いたhello.pyを実行します。python hello.py と実行します。以下のように実行出来ました。
pythonのプログラムを実行するだけなら、paiza.ioでも出来ますが、このようにターミナルで実行した方がディレクトリ、ファイル、コマンドをしっかり意識しながら実行出来ます。またいろいろなプログラムの実行環境を自分で構築出来るのでより幅広い学習が出来ます。paiza.ioの次の段階に進めます。
まとめとして
クラウド開発環境のPaizaCloudクラウドIDEを導入してみました。実際に自分の開発環境を構築していろいろとやってみるには無料版では無理です。
もし自分自身でこういった開発環境を構築するのであれば以下のような仮想環境を導入する必要があります。
WSL(Windows Subsystem for Linux)
virtualbox
Docker
などなど
あるいは仮想環境ではなく、実際のPC実機でLinux系のOS(ディストリビューション)をインストールして環境を構築することももちろん可能です。
こういった環境構築方法がまだよく理解出来ていない場合、あるいは時間をかけずに勉強や試行錯誤をしたいという場合は、PaizaCloudクラウドIDEを有料版でしばらく利用するという方法も有効だと思います。
そのあたりいろいろと考えて自分の環境を構築してみて下さい。