Windows10でWSLを利用してLinuxを利用する(Debian基本操作編)

前回の続きです。前回はWindows10上でDebianを起動するところまで書きました。Linux系の経験者であれば後は好きなように利用すればいいと思います。

ここでは、Linuxのコマンドライン操作に慣れていない方を対象として基本操作を書いてみます。前回までの準備が出来ているとして以下のようにWindows10の検索ボックスから検索します。

この結果の Debian GNU/Linux を起動します。そうすると、以下のような画面が表示されます。

はい、「黒い画面」が表示されました。ここで唯一表示されているのがプロンプトと呼ばれているものです。私の環境ですが、ISYMouseがコンピュータ名(ホスト名)でuser1が最初に登録したユーザ名です。(マウスコンピュータなのでMouseを付けました。)

繰り返しますが、経験者であればこのまま操作すればいいのですが、未経験者であればここからどうすればということになります。とにかく、テキストベースのコマンド操作に慣れるということが要点です。そのコマンド操作の基本を試してみましょう。
※Linuxの英字は大文字、小文字の区別があります。コマンドは小文字が基本です。気を付けて下さい。

ファイル操作系コマンドから
それではファイル操作から始めてみましょう。
まずは、pwd というコマンドを投入します。ここでは以下のように表示されました。

pwdは、カレントディレクトリのフルパスを表示するコマンドです。フルパスとはディレクトリのつながりです。この場合は、homeディレクトリ配下のuser1というディレクトリが現在の場所ということです。この場所はホームディレクトリという場所で、ログイン時(作業開始時)の最初のディレクトリです。

この場所でファイル操作を実行してみましょう。

まずは、lsコマンドを実行します。lsコマンドはファイルの一覧表示なので、最初の段階では何も表示されないはずです。次に ls -a と入力します。そうすると以下のように表示されます。

コマンドの後に – (ハイフン)で続けるのはコマンドのオプションです。オプションなしのlsコマンドでは、.(ドット)で始まるファイル名のファイルは表示しませんが、-aで.で始まるファイル名のファイルも表示するということです。この.で始まるファイル名のファイルは各種設定ファイル(隠しファイル)です。

最初は、「何なんだそれは?意味がわからん」となるかもしれませんが、「そういう仕様」として認識して深く考えずに慣れるのがいいと思います。ということで続けます。

ファイルを作成して表示してみる
次にファイルを作成してみます。画面の表示をクリアしたい場合は、clear と入力すれば画面がクリアされます。

まず、echo hello と入力して実行してみて下さい。以下のようになります。echoは画面上に入力された文字を表示するコマンドです。

次に echo hello > hh と入力してみてください。ここでの > は出力先の切り替え(リダイレクト)でhelloという文字を画面ではなく、hhというファイルに出力するという意味です。lsコマンドで確認します。

hhというファイルが確認出来たら、cat hh と入力します。そうするとhhファイルの内容が表示されます。以下が一連の流れです。

以上がファイル操作の本当の導入部分です。lsコマンドは他にも -l(エル) 等のオプションがあります。(※ ls –help で表示されますが、ここでは書ききれないので必要に応じてネット、書籍等で調べてみてください。)

ファイルを編集してみる
次に上記で作成したhhというファイルを編集してみます。ここでは、nanoというエディタを使ってみます。nano hh と入力します。上記の手順通りですと、helloと表示されると思います。ファイルがなければ新規作成なのでそれでいいです。

下に表示されているのが各種操作方法です。^ はコントールキーを押しながらという意味です。この時の英字のキーは小文字でいいです。

何でもいいので書いてみてください。ここでは以下のように書きました。

コントロールキー + x で以下に移行します。

yを入力するとファイル名が確認されます。

そのままEnterで保存します。保存出来たかどうかは再度 nano で開くか cat コマンドで確認して下さい。

ディレクトリの作成と移動
ディレクトリの作成は、mkdir コマンドです。ディレクトリの移動は、cdコマンドです。以下は実行例です。

dir1というディレクトリを作成して、dir1に移動して、ホームディレクトリに戻ってきています。cdだけでホームディレクトリに戻ります。

ファイルとディレクトリの削除
ファイルとディレクトリの削除を試してみます。ファイルの削除は、rmコマンドで、ディレクトリの削除はrmdirコマンドです。以下は実行例です。

hhというファイルを削除してdir1ディレクトリを削除しています。実際にはオプションがいろいろとあるので必要に応じて指定する必要があります。

以上、本当に導入部分ですがディレクトリ操作とファイル削除を試してみました。

今回はここまでです。次回はWindows10側からのこのDebianのファイル管理についてです。