Windows10でWSLを利用してLinuxを利用する(Windows10でのファイル)

前回の続きです。前回はDebianで基本的なファイル操作を確認しました。今回は、WSL(ここではDebian)でのファイルとWindows10との関係についてです。

Windows10側からのファイルの管理
WSLはWindows10のアプリケーションとして動作しています。それでは、WSLのファイルはWindows10からはどのように管理されているかということです。
(※ファイル操作を行う場合は慎重に実行して下さい。間違って必要なファイルを削除しないように気を付けて下さい。)

まず、Debianを起動してルートディレクトリからファイル(ディレクトリ)一覧を見てみます。以下実行結果ですが、/(ルードディレクトリ)に移動して、lsコマンドでファイル一覧を表示しています。

それでは、これらのファイルはWindows10上のどこかに存在するのでしょうかということです。私の環境では以下にありました。
(Windows10の)ユーザディレクトリ\AppData\Local\Packages\TheDebianProject.DebianGNULinux_76v4gfsz19hv4\LocalState\rootfs

画像はクリックで拡大表示します。これ以下の画像も同様です。
環境によって違うとは思いますが、だいたいこのあたりに展開されるのではないでしょうか。

Debianでのログイン時のホームディレクトリは私の場合はこの配下のhome\user1です。ここにファイルをWindows10側から作成するとDebian側で認識出来るかやってみます。

Windows10側でテキストファイルを作成して保存します。ここではabcd.txtとしました。Debian側で隠しファイルとなるドットで始まるファイル名のファイルもWindows10では普通に見えています。

これでDebianを起動してファイル一覧を表示します。Windows10で作成したファイルが表示されています。

catコマンドでファイルの内容を表示してみます。

Permission denied と表示されました。catコマンドを実行して内容を確認する権限がないということです。Windows10側で作成したからということでしょう。

chmodコマンドで権限を付加します。ここではchmodの詳細を書くと大変長くなるので省略しますが、要するに777で何でも出来るようにしています。(※通常777はあまり使いません。)慣れていない方はぜひ調べてみて下さい。

再度catコマンドで表示出来ましたが、特に何も書いていなかったので何も表示されませんでした。そこで、Debian側からnanoエディタで編集してみます。


保存してWindows10側でも内容を見ます。サクラエディタで開きました。メモ帳で開くと改行コードの違いで一行で表示されます。(改行コードはWindowsとLinux系では違います。)

これで必要な場合は、Windows10側でもファイル操作が出来るということが確認出来ました。例えばDebian側で作成したファイルをバックアップしたい時等に使えると思います。

Debian側からのWindows10のファイル操作
今度は逆にDebian側からWindows10のファイルを見てみます。Windows10側のcドライブ配下は、/mnt/c のパスから見えます。

必要に応じて慎重に操作することにして、下手に操作しない方がいいと思います。

今回はここまでとします。次回はパッケージ管理システムを使ってみます。